こんにちは、メディカルプラザ市川駅提携/爽快鍼灸院です。
多くの方が悩む膝の痛みに対してお話をさせていただいております。
これまでのブログをまだご覧になっていない方は
目次をクリックしてぜひご覧ください。
目次
⑧変形性膝関節症の評価方法
⑨変形性膝関節症の治療
⑩変形性膝関節症への鍼灸治療の効果
第７段として、変形性膝関節症の評価方法について説明いたします。
今回は少し専門的な評価方法のご紹介になるため
内容が少し難しくなっております
世界の医療機関でも使われている評価方法になりますので、
医療従事者の皆さまのお役に立てれば幸いです。
〇触診（疼痛、圧痛など）
疼痛はもっとも一般的な自覚症状で、痛みの強さ・
部位と性状（どんな痛みなのかなど）・発現からの期間
出現のタイミング・持続時間・誘発動作などを確認します。
また圧痛は疼痛の部位とともに病変を明らかにするうえで
重要な所見となります。
〇理学検査
関節水腫の有無を確認する膝蓋跳動や筋委縮（大腿周径）、
ROM測定やアライメント、徒手筋力検査法（MMT）、
関節の動揺性などを確認します。
〇画像診断
代表的なものとしてX線検査、レントゲン、CT検査、
MRI（磁気共鳴画像）検査、PET検査、超音波（エコー）検査
などがあります。
膝関節に対してはX線（レントゲン）検査が多いようです。
〇JOAスコア
JOAスコアは、肩関節・膝関節・股関節などの疾患に対し、
日本整形外科学会が制定した、整形外科的な身体機能の
判定基準として用いられる「評価表」です。
５つの機能を100点満点で評価します。
ROC曲線最高精度に基づいた JOA スコアの
カットオフ値は83 点なことから、この評価表で
80点を下回る場合は治療が必要となる場合があります。
しかし、JOAスコアは評価項目としてADLまで網羅されているものの、
疼痛との関係を主体とするため、Qualityof Life（QOL）を
十分に反映できていないのではないか、と言われています。
そのため、JOAスコアによる評価だけでは
QOLを判定することは困難だそうです。
治療効果判定の側面からのQOL評価が求められているため
QOL評価としてSF-36などを代表とする包括的QOL評価尺度が
併用される場合が多いです。
〇SF-36
SF-36は、ある疾患に限定した内容ではなく、
健康についての万人に共通した概念のもとに
構成されている包括的QOL尺度で、8つの健康概念を測定するための
複数の質問項目から成り立っています。
しかし、包括的QOL評価尺度は、多くのデータ数を必要とすることや、
質問の回答に時間が必要になるため、
臨床において運用する場合に難しい場合があります。
WOMACなどの疾患特異的評価尺度は、
対象とする疾患の病態に特化した質問項目で構成されるため、
部位や対象とする疾患が異なったり、合併症を有する場合には
適応できない場合がありますが、評価時間を短縮することが可能です。
〇WOMAC
WOMACは世界的に用いられている変形性股関節症、
あるいは変形性膝関節症の疾患特異的なQOL評価尺度であり、
現在は日本語版が運用されています。
しかし、日本では欧米と比較して生活様式が異なるため、
日本人の生活様式に適応したQOL評価尺度の必要性が検討されていました。
〇JKOM
日本版膝関節症機能評価尺度（JKOM）は、
WOMACを基礎に変形性膝関節症に対する疾患特異的QOL評価尺度として
開発されました。JKOMの信頼性・妥当性については
変形性膝関節症を対象としたSF-36や、
WOMACとの平行テストによる比較検討からも認められています。
疾患特異的評価尺度であるJKOMは、
変形性膝関節症の病態や症状に反応するように作成されており、
身体機能との関連性が予想されます。
一般的には膝関節の直接的な機能評価として
JOAスコアが使われ、QOLの評価として
SF-36が補助的に使われることが多いイメージです。
セルフチェックとしてすぐできるのは触診です。
まずはご自身で触って痛む部位はどこなのか、
どうしたら痛いのかなど明確にしておくといいかもしれませんね。
次回は変形性膝関節症の治療について
詳しくお話していきますので、ぜひご覧ください。
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