はりプラザ|市川市の鍼灸担当者のブログ|ハリ・鍼灸は、科学的根拠のある治療法として、医療関係者などがハリ・鍼灸に注目しています。|市川駅スグの鍼灸|千葉県市川市市川1-4-10 市川ビル9階|爽快鍼灸院

皆さん、こんにちは。
メディカルプラザ市川駅提携、爽快鍼灸院です。

5月から、新型コロナの分類が変更になり平常時に戻りつつありますが、コロナ禍では、多くの方が行動を制限されて、 不自由な思いをされました。特に高齢の方は感染のリスクを考えて、いっそうの自粛を余儀なくされた方も多く、その後、認知症が悪化したという話も聞きましたし、私の身近でも、元気だった方がMCI(軽度認知障害)と診断されて、ご家族が戸惑いつつ対応している様子を伺っています。
推計では、2025年には65歳以上の5人に、一人が 認知症になると言われ、700万人にのぼるといわれています。
どなたにとっても認知症は他人ごとではないでしょう。

NHKテレビの「きょうの健康」(2023.1/9.1/10.1/11放映) では、「マンガで分かる認知症の人が見ている世界」(2021年文響社発行、川端智著)を題材に「理解が変わる?!認知症の世界」を紹介していましたので、ご覧になった方も多いと思います。
また、NHKのラジオ深夜便「認知症カフェ」(2023.5/9 .5/16 )では、前述のTVにも出演された、理学療法士の川端智さんがご自身の体験をもとに、認知症の方への寄り添い方についてお話されていらっしゃいました。

今回は放送や、書籍も参考に「認知症の方が、日常生活の中で、まわりの方と関わりながら、出来事をどう捉えて、どう対応しようとしているか」を中心に、ご一緒に考えてまいりたいと思います。

まず、認知症の方の不安の捉え方について、川端さんは次のようにおっしゃっています。
「 認知症の人は頭の中がまとまりにくいことがあって これで合っているのかと、正しくても正しくなくても不安になる」「 そして不安がとても、大きくなってくると『周りに迷惑をかけたくないけど、どうしたらいいか? 』と本人なりに考えて一見不可解に見える行動をしてしまう」そうです。
しかし、その行動も「本人なりの理由」がちゃんとあるので
「認知症の方の 不安にいかにスムーズに寄り添ってサポートできるかが大切になってくる」とのことです。

この「認知症の方の不安に寄り添う」という視点で、例を見てみましょう。「マンガで分かる認知症の人が見ている世界」の本に掲載されている一例をご紹介します。

*何度も何度も、ディサービスの日を家族に尋ねて確認する A さんの場合*
家族は「何回言ったらわかるの?」とイライラ怒りだしますが、Aさんは、なぜ怒られるのか、わからず戸惑っています。

この本では、右側ページが、「周りの人が見ている世界」、左側ページが「認知症の 本人が見ている世界」と 視点を変えて描かれています。認知症の方の 一見不可解な行動を、 この2つの視点からみると、捉え方が全く違っていることがよくわかるのです。

前述の例では
①まず、右ページ
認知症の方の家族の方は、「母さんが、ディサービスの日を聞いてきたから、いま教えてあげたのに、直後にまた何度もきいてきた。さっき教えたばかりなのに、なんでまた何度もきくの!」とイライラと怒りだしている状況です。

②次に、左ページ
認知症の方は、「ディサービスの日は、大事だから絶対忘れてはいけない。忘れたら、家族に迷惑をかけてしまう」と思って尋ねるのですが、聞いたことが、認知機能の低下で記憶に残らないので、本人としては、何度きいていても、「全くはじめて聞いている」つもりです。それなのに家族にイライラされたり、怒られたら、「ディサービスの日をきいただけで、なぜ怒ってるの?」と本人は戸惑いさらに不安になってしまうという状況です。

これは、ー例ですが、いろいろな事例を紐解いて、
「周りの方がみている世界」と、「認知症の方がみている世界」を、並べて比較する事で、「認知症があっても、ちゃんと本人なりに考えて、理由がある行動をしている」ことがわかると、周りの方が、認知症の方にに寄り添う心のゆとりが生まれそうです。

では、ディサービスの日を何度もきくAさんの場合の、より良い対応はどうすればよいのでしょう?

川端さんは、「心を揺さぶるメッセージを伝えること」とおっしゃいます。「心を揺さぶるメッセージ」とは、忘れてほしくない事象を「感情」に紐づけて、忘れにくくすることと、言い換えてよいでしょう。

例えば、「デイサービスは明後日ですよ。 仲良しのBさんと会えるから楽しみね。 」とか、「 お母さん、大丈夫よ。 私がちゃんと覚えておくから安心してね。」 と不安をなくして あげて、信頼してもらえると、認知症の方もより安心できるそうです。

まとめますと、認知症の方の見ている世界に周りの方が寄り添ってみるということが大切なポイントなんですね。
今回、私はこの文章を書いてみて「相手の立場に立ってみなさい」は 、昔からよく言われることですが、認知症の方の周りの方が「認知症の方の視点にたってみる」ことの重要性があらためて理解できました。
自分と違う世界を見ている方を理解する事は容易ではないことです。しかし、これから先、認知症の方と出会う可能性は、誰にでも少なからずありますから、心に留めておきたいと思っております。

ところで鍼灸施術は、脳の血流や、全身の血流を改善するといわれ、認知症の簡易テストの点数がアップしたり、困った周辺症状が減少したという症例がいくつも報告されています。

当鍼灸院に、日頃のメンテナンスからお困りの症状まで、どうぞお気軽にご相談下さいませ。