はりプラザ|市川市の鍼灸担当者のブログ|ハリ・鍼灸は、科学的根拠のある治療法として、医療関係者などがハリ・鍼灸に注目しています。|市川駅スグの鍼灸|千葉県市川市市川1-4-10 市川ビル9階|爽快鍼灸院

こんにちは。メディカルプラザ市川駅提携/爽快鍼灸院です。

ゴールデンウィークも過ぎ去りましたが、皆さんお疲れはでていませんか?
これからの梅雨や真夏の厳しい気候に備えて、いまから体調管理をはじめてまいりましょう。

さて、5/8土曜日のNHKニュースでは、厚生労働省の研究班による認知症の方の人数推計が報じられていました。、2040年には認知症の方は584万2000人にのぼり、高齢者のおよそ15%、6.7人に一人と推計されています。
介護のお世話にならない「健康長寿」が理想ですが、改めて認知症はどなたにとっても身近な問題ですね。前回のブログでは、「認知症の方に寄り添う視点④」として、ご本人が「人に頼られている」「任せられている」という「自尊心」をもつことができればその人らしく生きていける、という視点をご紹介いたしました。今回は具体的なケースを見ながら認知症の方への対応を考えてまいります。

認知症の方に寄り添う視点①←こちらをクリック

認知症の方に寄り添う視点②←こちらをクリック

認知症の方に寄り添う視点③←こちらをクリック

認知症の方に寄り添う視点④こちらをクリック

以前このブログでご紹介しました『認知症の人が見ている世界』(文響社2021年発行)から、「人の役に立ちたい」という思いにアプローチしてみましょう。
認知症の進行と共に、だんだん家事ができなくなったA さんは施設に入所しています。食事の後片づけをしていたスタッフに「お手伝いがしたいわ」と申し出ます。スタッフは 喜んで「Aさん、テーブル拭きをお願いします」と台拭きを渡しました。 ふと気が付くと、Aさんは台拭きで床まで拭いていました。 慌てたスタッフは「駄目ですよ。Aさん」と言ってしまいます。Aさんはしょんぼりです。

このケースを振り返ってみましょう。 Aさんは スタッフの役に立てることをとても喜んでいました。「私にもまだできることがある」と 手伝いを申し出ましたが、認知症のため 台拭きと雑巾の区別がつかなくなっていました。スタッフに止められて、すっかり気落ちしてしまったAさん。

どんな対応が良かったのでしょう。
このケースの場合、テーブル拭きですので、テーブル拭きが終わった時点でスタッフは、「ありがとうございます。 とてもきれいになりました」と台拭きを受け取れば良かったのです。そうすればご本人も 「役に立った」 と嬉しく感じ、本人の意欲を尊重してあげることもできました。

認知症があってもできることはできるだけやってもらうというのが基本ですが、どうしてもできない部分はありますので、うまくサポートとしてあげられると良いですね。 本人の「人の役に立ちたい」という思いや 「人に迷惑を掛けたくない」という思いを大切にして寄り添うことができれば、ご本人の自尊心を保つサポートになります。

どこまでができて、どこからができないかはひとりひとり違いますから、その方の得意や苦手を把握することも大切ですね。
著者の川端智さんは、「認知症の人の役目をむげに奪わず、苦手をサポートし、自尊心を傷つけないように」とおっしゃっています。。

認知症の方は、ご自身がいろいろ出来ないことが多くなったことを自覚していて、「自分はもう役に立たない人間なのではないか」と傷ついたり、「いずれなにもわからなくなってしまうのではないか」と不安を抱いたりします。

川並さんがおっしゃるように、認知症の方の行動の意味や理由を理解して、いたわりや優しさを持った対応ができれば、介護者も介護される方も、ストレスが減って、より良い関係が築けるのではないかと思います。