こんにちは。メディカルプラザ市川駅提携、爽快鍼灸院です。
この夏は、猛暑が続いて本当に心身に厳しい日々ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ところで、何か思い出せないとき「暑さのせいで、ど忘れしちゃった!」と言い訳されている方はいらっしゃいませんか?それは、暑さのせいだけではないかもしれません。「日常の小さな物忘れを『このくらい誰でもあること』と捉えてはいけない、最終的には認知症に繋がる脳の衰えの兆候」と警鐘を鳴らすのは、「もの忘れしなくなる!脳の使い方事典」の著者の加藤俊徳先生です。
「認知症の方に寄り添う視点」についてこのブログで5回ご紹介させていただきましたが、今回は 認知症を予防する視点から、「1万人の脳を診断した名医が教えるーもの忘れもの忘れしなくなる! 脳の使い方」(脳内科医、加藤俊徳著 2022/12 永岡書店発行)の内容をメインにご紹介いたします。
「もの忘れ」は、確かに誰もが経験することではありますが、脳は本来、何歳になっても成長すると言われていますから、ちょっとしたもの忘れの時に しっかりと対策を取っておくと脳の衰えを最小限にとどめることができるのではないでしょうか。
それでは具体的な ケースから対策をみてみましょう。
会社員のAさんが何か必要なものを忘れてしまって、慌てて家に取りに帰ります。もう息も絶え絶えの大急ぎで2階に駆け上がった途端、何を探しに来たのかを忘れてしまいました。Aさん呆然です。
このケースでは最初の目的の探し物という「自分の頭の中の思考」から、次の強い刺激「自分の体の動作」へと視点が移り、階段を上がる前に考えていたことがすっかり消えてしまったことになります。 脳は注意の矛先をそらされたり、別のことに注意を奪われたりすると、それ以前に考えていたことを忘れてしまう傾向があるそうです。
私事で恐縮ですが、私は趣味でテニスレッスンに参加しています。(ちなみに万年ビギナーです)ゲームでは、自分がサーブの時にカウントをコールしてからサーブをしますが、サーブの後、思いっきり走ってボールを追いかけると、次のサーブの時に点数を言おうとして「あれ今何点だっけ? 」と思ってしまうことがあります。 そんな時はペアの人に確認して続けるのですが、このケースを読んで納得できました。
短い時間の記憶は、頭の中の海馬で保持されますが、この海馬の記憶保持機能はずっと注意を向けていないとスリープモードに入ってしまうそうです。注意をそらすような 強い刺激を挟まないようにするか、あるいはその前の覚えておくべきことを何らかの形で頭の中以外に記録して残して置いて思い出せるようにするということが大切になるのですね。
対策の1つとしてシミュレーションがあります。
頭の中で、例えば『2階に行く→引き出しを開ける→青いファイルを取る→ 会社の鞄に入れる』など、これからすべきことをシュミレーションして脳内でリハーサルしておく方法です。やるべきことが強く記憶され、行動の確実さがアップしやすいといわれています。
対策の2つ目は、小さなメモや付箋にやるべきことを書いて、仕事中ならPCなど目立つところに貼っておくという方法です。このように脳の外に記憶させておくと、万一大事なことを忘れても確認ができますね。
私は、とっさのとき、手のひらにペンで 覚えを書きます。 手を洗うと消えてしまいますが、このAさんの場合は、手のメモも有効かもしれません。また、テニス中のスコアは、手に書けないので、例えば頭のなかにスコアボードを描いて書き込んで行くのもよいかと思います。
皆さん、いかがでしょうか?
「もの忘れなんて、あるある!」と放置するのは、脳の衰えを助長するといわれたら、少し怖くなりますが、「脳を成長させて行くんだ!」と考えればポジティブに捉えていけそうです。私も日頃できることから、もの忘れを減らす対策を心がけて行きたいと気を引き締めております。
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