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肩こり改善

肩こりとは?

肩こりの定義は、肩から首の間、肩甲骨と背骨の間におこる、【硬くなった感じ】、【張っている感じ】、【痛くなった感じ】である。

「肩が凝る」という言葉は、夏目漱石による造語との説があり、さらに、それ以前はいわゆる肩こりの症状を特に指す用語は日本語になく、肩こりという言葉が生まれたことで、多くの日本人が肩の筋肉が固くなる症状について自覚するようになったとの言説がある。
また英語では「tight shoulders(タイトショルダー)」:固い肩というそうです。

あなたの肩こりはどんなタイプ?

 

肩こりには大きく分けて、「病気が原因の肩こり」と「病気が原因ではない肩こり」がある。

病気が原因の場合、変形性頚椎症や頚部椎間板ヘルニア以外にも内臓疾患やうつ病などから肩こりになることもあり、この場合、医師による診察が必要。

病気ではない肩こりには、無理な姿勢、合わないメガネやコンタクト、冷え性、運動不足などの原因が考えられますが、なで肩や猫背の人も肩こりになりやすいと言われています。

筋疲労による肩こり

肩こりの定義からみると3つの筋肉の疲労が考えられます。

僧帽筋(そうぼうきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)この3つの筋肉は抗重力筋ともいわれています。

抗重力筋(こうじゅうりょくきん)とは

地球上で生活する以上、常に重力の影響を受けます。この重力に対して姿勢を保持するために、これといった運動をしていなくても無意識に疲労している筋肉のことです。

 

この抗重力筋がなんらかの原因で疲労を起こすと、肩こりになるわけです。抗重力筋が疲労を引き起こす原因は、大きく7つに分けられます。

座っている場合、立っている場合のどちらにも共通で、あまり好ましくない姿勢をとっている場合や、姿勢を変えることなく長時間作業を続けた場合に肩こりが発生します。
好ましくない姿勢とは、背中が丸くなっている猫背で、両腕が胴体よりも前に垂れ下がった状態です。また、顎を突き出し胴体よりも顔が前へ突き出された状態(何かを覗き込むような格好)も好ましくありません。一時的にこの姿勢をとるのは問題ないのですが、日常生活の中でそのような姿勢を長時間とり続けていると、筋肉は強く働く必要が出てきます。
また、長時間同じ姿勢でいることも、筋肉自体が血管を圧迫し、筋肉が酸欠となりコリが生じるため良くありません。

 

冷やしすぎ

外の気温が上がり、エアコンを作動させて室内の気温を下げている場合に多く見られます。環境への配慮から「クールビズ」が叫ばれ薄着になる機会が増えてくると、頸(くび)から肩を冷やしてしまって肩こりを感じる場合があります。

 

眼精疲労

眼の疲れが、肩こりに影響を与えるケースもあります。
適切に視力矯正がなされていないことが、眼の疲れを招く理由の第一位を占めています。長期間、近視や遠視などの視力の障害があるのに、視力を矯正するための眼鏡やコンタクトレンズを使用しないでいると、眼自体はもちろんですが、眼の周りの筋肉、そして体全体の筋肉をも緊張させます。
特に近視があるのに視力矯正していない人が本を読んだりコンピュータで作業すると、自然と身を乗り出したり顔を対象物に近づけるなどしてしまうため、姿勢が悪くなってしまいます。
これらが肩こりを招くといわれています。

 

体重の増加

肥満の人は、通常の人よりも抗重力筋の負担が大きいため、肩こりを引き起こしやすくなります。
なぜ、肥満の人は肩こりになりやすいか?
肥満になると、もちろん腕にも脂肪がついて重くなります。また、肥満になる方の多くは、定期的な運動をする機会も少ない傾向にあるため、抗重力筋の筋力も不足している可能性があります。つまり、単純についた脂肪の分だけ重くなった腕を吊り上げる負担と、それを支える筋力不足のアンバランスが、肩こりにつながると考えられています。

なで肩

なぜ、なで肩は肩こりになりやすか?
なで肩も体重増加と同様に、通常の人よりも抗重力筋の負担が大きいため、肩こりを引き起こしやすい。
なで肩は、(1)単純に肩甲骨の位置が正常よりも下がっている場合、(2)猫背が背景にあって肩が前に入りやすくなるために肩甲骨の位置が変化している場合とに分けられます。

(1)の場合は、抗重力筋が常に引っ張られている状態にあります。筋肉自身が通常持っている緊張が更に強くなる傾向にあり、この緊張が血流障害を招き肩こりへと発展します。
(2)の場合では、胴体に対して肩甲骨や腕が前側へ引っ張られる状態(抗重力筋にとっては肩甲骨と腕の重さがより強くのしかかる状態)になります。すると、より強い筋力が要求されるため、筋肉は更に強く働かなければなりません。これが筋肉の血流障害を招き、肩こりにつながります。

 

ストレス

ストレスと聞くと、人間関係や仕事上のトラブルなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、例えば舞台に上がって話をしなければならないなど、緊張する場面に遭遇することも、体にとってはストレスなのです。
ストレスが強い状況にさらされると、交感神経が刺激されます。
交感神経とは、脈拍や呼吸をはやめたり、筋肉が瞬時に働けるように緊張度を高めたりする神経です。オリンピックなどのスポーツ競技で、試合に臨む選手の多くでは、この交感神経が興奮しています。
仕事上のトラブルでストレスを感じた場合にもこの交感神経が興奮します。すると、全身の筋肉が緊張します。肩こりの原因となる抗重力筋も例外ではありません。更に、血管自体をも収縮させ細くさせてしまうため、筋肉の中では血流障害が起こり、筋肉疲労から肩こりを招きます。
さらにストレスによる交感神経の興奮は、血液にも変化をもたらします。血液中の水分が血管の外へ流れ出てしまい、ストレスが強い状況では血液がドロドロになってしまいます。すると、血管の中で血液が流れにくい状態になるため、筋肉に十分に血液(酸素や栄養素)を送り込めなくなる可能性が高まり、肩こりにつながります。

 

首の骨や神経圧迫による肩こり

年齢を重ねていくうちに、肩こりや首の痛みなどの首の不調に悩む人が増えてきます。
その中には、背骨の首の部分にあたる頚椎(けいつい)という骨が原因になっているものがあります。

頚椎とは?
頚椎は7つの椎骨が積み重なり作られています。
骨と骨の間には椎間板という軟骨が挟まっており、首に伝わる衝撃を吸収するクッションの役割をしています。椎間板の後ろには脳からの指令を全身に伝える背髄が通っています。そして、各椎骨の間からは、首、肩、腕、手などに行く神経が出ています。

この頚椎の加齢に伴う変形や、椎間板の変性によって引き起こされる病気を「頚椎症」といいます。
頚椎症は、「変形性頚椎症」「頚椎椎間板ヘルニア」の2つに大きく分けられます。

 

椎骨の間にある椎間板では年齢とともに水分が少なくなり、クッションの役割が低下してきます。椎間板の弾力性が失われ、椎骨の負担が大きくなると、椎骨の端の方に骨棘というトゲ状の出っ張りができたり、ずれが生じたりして骨が変形することがあります(変形性頚椎症)。また、変性した椎間板がつぶれて後ろに飛び出してしまうこともあります(頚椎椎間板ヘルニア)。
こうした骨や椎間板の変化によって後ろを通っている神経が圧迫をうけると、肩こりや首の痛み、手のしびれや動かしづらさなどの症状があらわれます。

 

病気でない肩こりの原因として一番多いのが、長時間の運転やパソコン作業など、全身を使わず同じ筋肉ばかりを使い続けること。また椅子と机の高さのアンバランスや不自然な姿勢による運転、デスクワークなどによる筋肉の疲労も肩こりにつながります。特にタバコを吸う方は、さらに血行が悪くなりますので要注意!
原因は動かさないことによる血行不良

肩こりは、大きく二つに分けることができます。いわゆる肩こりと言われるものと、病気やストレスの症状の表れとして起こるものです。
石塚医師は、肩こりを訴える患者の約8割は前者であると語ります。前者の肩こりは①体を動かさないこと②姿勢が悪いこと、の二つが主な原因です。そのほかに、目の疲れ、歯のかみ合わせ、骨や肩関節の老化などが考えられます。
これらによって筋肉疲労や血行不良が起こり、肩がこるのです。具体的には、デスクワークなどで同じ姿勢を続けたり、悪い姿勢でいると肩の筋肉が緊張し、筋線維を通る血管が圧迫され、血流が阻害されます。そのため、新鮮な酸素をたくさん含む血液と、不要物質を含んだ血液とが、自分が体を動かさなければ根本的な解消にはならないのです。
一方、肩こりとともに、頭痛やめまい、動悸、吐き気などが起こったら、脳や心臓、胃腸等の疾患のおそれがあるので、早めに診察を受け
て下さい。

肩こり予防

肩こりを予防する方法を次のように挙げています。

①、正しい姿勢を保つ
人間の最も自然な姿勢は背筋を無理なく、まっすぐに伸ばした姿勢です。猫背や片方の肩が上がるなど姿勢が崩れると、その部位の筋肉が疲労することで、こりや痛みを引き起こします。特に猫背になると、あごを突き出すようになり、それを維持するために首筋の脊柱起立筋(うなじの辺り)が常に引っ張られることになります。また、両肩も前方に下がるため肩がこってくるのです。

②、同じ姿勢を長時間続けない
パソコンを使ったデスクワークや車の運転時は、いすに深く座り、前かがみにならないようにします。そして、1時間程で休憩をして肩をほぐしたり、体操をすると良いでしょう。

③、こまめに体を動かす
筋肉にとっていい状態とは、緊張と弛緩が交互に繰り返されることです。適度に動いているほうが筋肉の血行が良くなり、老廃物が溜まることなく取り除かれていきます。休日などは、ある程度休んだら、むしろ家事などをしてこまめに体を動かすほうが、肩をはじめ全身の疲れがとれます。

④、目と歯
疲れ目から肩こりが生じるので、眼鏡やコンタクトレンズは度の合ったものを使用してください。パソコン作業時は、画面をなるべく離して、視線は見下ろすようにし、時々、遠くを見るなどして目を休めましょう。一方、歯のかみ合わせが悪いと、あごの左右の筋力のバランスが崩れます。それによって姿勢にも歪みが生じ、血行障害から肩こりの原因になります。

⑤、スポーツで全身を動かす
スポーツで全身を動かすことが勧められますが、なかでも、水泳が最も効果的です。適度な抵抗力と浮力で体に負担をかけず、全身を使って運動ができます。背泳ぎ、クロール、バタフライは肩をしっかり動かす運動です。プールは温水がよく、泳ぐ前は準備体操をしましょう。
ウォーキングも関節に負担の少ない全身運動として勧められます。ゴルフはスイングの際に首に負担がかかるので注意してください。

⑥、入浴とまくら
入浴で全身を温めることで血行を促進します。浴槽で首や肩を動かすことも有効です。浴槽で体を温めた後で、熱めのシャワーで、こりのひどい所に5~10分くらい湯をかけると効果があります。一方、まくらは横になった時に、首が背骨とまっすぐの状態になる高さが理想的です。硬すぎず、柔らかすぎないものが勧められます。大きさは、やや大きめのものが良いでしょう。